ブルゴーニュの至宝「オスピス・ド・ボーヌ」

飲みながらお楽しみください・・・
途中できれちゃったのですが、続きです

ブルゴーニュワインが、なぜ凄いのか・・・それは、世界一高いワインとして多くのワインファンの最終目標と言われる「ロマネ・コンティ」の存在が大きい。しかし、そこに至るまでブルゴーニュでは、古代ローマから続く2000年以上の歴史があり、紆余曲折をへてきていることが、深く関係している。

ワイン生産地を歴史の長さ順で並べれば、コーカサス、ギリシャ、ローマと続いて4番目に来るのがブルゴーニュとなる。ローマ帝国以後、ヨーロッパ全土でブドウ栽培とワイン醸造は広く行われてきていたが、ブルゴーニュの地でその品質が大きく向上したきっかけを作ったのが、簡素・厳格・無装飾をモットーに掲げたローマ・カトリック・シトー派修道会である。およそ千年前から始まったシトー派の修道士達のチャレンジは、世代を跨いで受け継がれ、数百年の修練を経てローマ法皇の目に留まるまでに成長した。15世紀に入り、英仏の100年戦争に入ると、ブルゴーニュ公国は、稀代の財力を手にし、ヨーロッパの中心的地位を手中に収める同時に、王によるワイン外交とその品質の向上にさらに力を入れ、ブドウ栽培品種をピノ・ノワールに限定。さらに他を突き放し世界最高のワインとして貴族の社交界で振る舞われるようになった。その時代に、王室の財務長官ニコラ・ロランによって建てられたのが、「オスピス・ド・ボーヌ」の前身となる病院「オテル・デュー」だった。この建物は現代でも大切に維持、保管され、1966年にフランス映画史の歴代最高興行記録「大進撃」で舞台にされたことをきっかけに最もプレステージの高い建造物としてフランスで広く知られるに至っている。百年戦争で傷ついた兵士を治療し、大流行したペストに対抗すべく建てられたこの病院は、当時、大歓迎され、貴族と接点を持ち影響力の強かった醸造家が、最高のワイン畑を病院に寄進。後に、この献身的でカトリック的な美しいストーリーが敬意を持って語られ、その後も何世代にもわたって多くの行き場を失った有名畑が、同じようにここに寄進され続け、最終的に60ヘクタールもの大きさとなったのが、現代のオスピス・ド・ボーヌである。

オスピス・ド・ボーヌは、19世紀に入ると生産ワインを樽でチャリティー・オークションにかけ、病院閉鎖後も売上を医学に寄付することで、そのニコラ・ロランの慈善活動的コンセプトを今に伝えている。まさに、中世ブルゴーニュの思いを現代まで繋ぐブルゴーニュの代表的アイコンとして、その中心に座していると言えるだろう。「オスピス・ド・ボーヌ」の落札価格がその年のブルゴーニュワインの後の価格を決定する重要な指標ともなり、オークションが行われる前後三日間は「栄光の三日間」と呼ばれ、これはワイン業界において世界最大の祭典と言っても過言ではない。ブルゴーニュは、ワイン作りでは常に世界の中心であり続けたが、一方で工業化、近代化の波にはあえて乗らず、畑を大事に守ってきたが故に、近代では地方自治体としては貧しいエリアに成り下がっており、合わせて「オスピス・ド・ボーヌ」も決して裕福とは言えない状況に陥っていた。21世紀に入り世界的なワインブームとブルゴーニュワイン高騰の波を受けて、ボーヌ市は大々的な戦略に打ってでた。2005年、英国の有名オークションハウス「クリスティーズ」に、オスピス・ド・ボーヌにオークションを依頼、圧倒的なマーケットを手に入れたことで、オスピス・ド・ボーヌに資本が集まり、徹底的にクオリティをアップしていく流れを作っていった。これにより、この17年で、生産量はそのまま、総落札額が約200万ユーロから実に15倍の3000万ユーロに手が届く一歩手前まで届いた。この年になり、ついに、「オスピス・ド・ボーヌ」が名実ともに世界最高のワイン醸造所となったことが証明されたと言えるだろう。

※今年、弊社グループ企業で落札しました「バタール・モンラッシェ」は、その中でも最も希少で5樽しかない絶大な人気を誇るグラン・クリュの白。前評判が高く、2年連続で前の年の倍の落札額を上回る予想がされていたが、さらにその予想を覆して、圧倒的史上最高額の325,000ユーロにまで値を上げました。赤の「マジ・シャンベルタン」21樽と数が多いですが、それでも貴重なグラン・クリュとして人気が高いです。

落札された樽は、好きなネゴシアン(ブルゴーニュでは、ブドウやワインを買って生産を行う業者)にエルバージュ(樽から瓶詰めまでの大切な作業のこと)を頼むことができますが、今回ヴァン・パンションさんと現地クルティエ(仲介人)を通して、どちらの樽もドメーヌ・ド・ロマネコンティ社が大切な自社栽培ブドウを分け、醸造を任されるほどの実力者として知られ、エルバージュの天才として圧倒的な才能を誇示するマイクロ・ネゴシアンのルシアン・ル・モワンヌへの依頼に成功。年間わずか20樽しかエルバージュしないとされる貴重なルシアン・ル・モワンヌのキャパシティの10%を割き、まさに、世界ではウチだけ!が味わえる、ブルゴーニュ史上最高傑作と思われる究極のワインに仕上がることが予想されています。

各樽約300本のワインが24年に届く予定となっております。今ならお安く譲ることが可能です。ご興味がある方は、お問い合わせにて・・・。

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